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2008.01.19

★森見 登美彦『〈新釈〉走れメロス 他四篇』を読む。

毎年1月は何故だかものすごいテンションが低くなるのだが何故なのでしょう・・・涙。
どうやら寒いと私の心は沈んでゆくらしい。単純。
でも負けないぞ~。

さて森見登美彦。
中島敦「山月記」、芥川龍之介「藪の中」、坂口安吾「桜の森の満開の下」、森鴎外「百物語」を原典に、現代の物語が綴られる。

私百物語以外は読んでいるのだが・・・桜の森の満開の下は忘れちゃったよう~。
何か女の人が出てきて首を持ってた?幻想的で怖い話だっけ???「死体が埋まってる」のは誰の作品だったかも忘れた・・・。←調べた。梶井基次郎だった。
安吾のは確か岩下志麻で映画化されてたと思うのだが。見た覚えがある。

・・・そんな適当読書人生を歩んできた私にも十二分に楽しめる作品集。

中島敦の山月記は高校時代に読んで、まさに私のことだわ!!!と痛いほど自分に突き刺さった話で(笑)、ものすごく印象に残っている。
だから読みながら二重に楽しい。ああこの部分がこうなるんだ~と。
現代の大学生となっても、人間の基本は変わらないよね。と思う。

ちなみに中島敦は「名人伝」が非常に印象に残っていてすごく好き。「名人」とは一体何なのかという事を考えます・・・。

「藪の中」。
実はこの作品集は全体で一本の連作短編でもあり、同じ大学における様々な人物たちが登場する事が判明。
学園祭で上演された映画にかかわる人々の物語。
原典のキリリと突き放した冷徹な感じ、迷宮の中で惑うしかない感じとは違い、とても切なさを感じる物語。

表題作の「走れメロス」は死ぬほどばかばかしく素晴らしい。
「メロスは絶対に自分を置いて逃げるはずだ」というセリヌンティウスの「信頼」。
その信頼に応えるべく?逃げまくるメロス。友情とは何ぞやということが高らかに?謳いあげられる。
ラストシーンのもの哀しさもよい。
これはぜひ深夜枠のドラマとかで貧相な体型のイケメン(笑。そんな人いるか分からないけど)とかで見てみたい。

すっかり原典を忘れてる「桜の森の満開の下」。
何が何だかよく分からない内に相手の言いなりになって、人生自体はガンガン成功していくのだが確実に何かがこぼれおちていく恐怖感。じわじわと締め付けられていくような怖さと、でもそれも夢みたいな幻想的な空気感が印象的。
久々に原典読まねば。

未読の「百物語」。なんとなく座敷わらしを思い出す。
謎の人物は本当にいるのか、いないのか。

それぞれ全く異なるテイストで、だけどいかにも森見さん、というお話。

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