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2007.08.25

★奥泉光『グランド・ミステリー』を読む。

数年前から読もうと思いつつその分量の多さに躊躇していた本。

だが夜読み始めて気づいたら朝を迎えてました。←バカ。
だって途中で眠ったら確実に悪夢見そうだったんだもん~。


えー奥泉さんの本を読むのが始めてだったので、どういうタイプの方か知らなかった。
だから、これ普通に腑に落ちる展開になるのかな~と思っていたらば煙に巻かれる系の話でした。

真珠湾攻撃を前にした海軍の物語を読み進めて行くうちに何か違和感が出てくる。
でもそのまま読み進めると、突然、死んだはずのあの人が普通に登場してきたり、登場人物の幻想が延々描写されたり、そのまま場面がシフトしたり、戻ってきたり、気づくと何度も同じ文章が挿入されたり・・・この物語ってどんな風に進んできたっけ???と混乱します。かなりぐるぐる。

最初に提示された謎は一応の解決を見るので、「ミステリ」として読んでも楽しめますが、基本的には「結局どうだったの??」が気になる方にはあまり向かない話。きちんとわかりやすく解決しないけど、そのぐるぐる感が好きな人にはかなりおすすめ。

私はぐるぐる系がかなり好きなのでものすごく好きなタイプの話だけど(上下巻真夜中一気読みしてるくらいだし)、最初に「明解な話」かと勘違いしていた分ちょっと損したかな~楽しみ方を。


話の内容が似ているとかそういう意味ではなくて、読んでいる側の、すいすいぐいぐい物語りに引き込まれていきつつも、何となく不安にかきたてられる感じ、終わらない夢を延々見ているぐるぐる~な感覚、という点で、皆川博子「冬の旅人」や「薔薇密室」、あと「死の泉」とか、西崎憲「世界の果ての庭―ショート・ストーリーズ」とかを思い出した。

登場人物がみんな魅力的で、海軍生活や、戦時中の特権階級の人々の優雅な生活の日常描写も面白く、また、今8月だからやっぱり考える「戦争とは、何ぞや」という事に対しての登場人物それぞれのスタンスが興味深く、ディティールも、物語全体のつくりも、非常に面白かった。

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