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2005.10.14

北村薫『ニッポン硬貨の謎』を読む。

「エラリー・クイーン最後の事件」なる副題がついている。

エラリー・クイーンが来日した際に出会った事件をつづった作品が見つかり、それを訳した、という構造である。


私は残念ながら、エラリー・クイーン作品ですぐに物語をすらすら答えられるのは「Yの悲劇」くらいで、作品も数作しか読んでいないのだが、それでも、すごく面白かった。

たぶん北村さんとエラリー・クイーン両方を大好きな人(きっとものすごくたくさんいると思うが)が読んだら本当に至福の時が過ごせるのではと思う。

あと、忘れてはいけないのが「50円玉 20枚の謎」という本を合わせて読むこと。
若竹七海さんが、学生時代に経験した不思議な出来事(これは現実にあったこと)について、作家および一般の方々が解決編を考えた変化球短編集なのだが、今回の北村作品は、この解決編のひとつでもある。


途中でクイーン論が展開される辺りなど、文学部出身の私にとってはしびれる(笑)名場面である。
・・・が、クイーンの有名作品のネタバレがございます。
私は有名作品を未読だったけどネタバレ部分も読んじゃいました。もうこの元作品は読めません(笑)。でもそれでも構わない。という魅力がこの作品にはありました。

北村作品の中では、読者を選ぶ1冊だとは思うけれども、クイーンに並々ならぬ愛情を持つ北村さんの幸福感がぎゅっと詰まった1冊です。
内容は実は深い哀しみと闇を持っているのですが、でも、じわじわと幸福感に包まれる作品です。

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